旅館にもいろいろな職種がある・その仕事内容を理解しよう
旅館にもいろいろな職種がある・その仕事内容を理解しよう
目次
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客室スタッフの仕事内容
旅館にはいろいろな職種がありますが、その中でもイメージしやすいのは客室スタッフ・俗にいう仲居さんです。客室係の主な仕事は、お客さんの担当・接客です。お客さんがやってきたら、宿泊する部屋まで案内します。旅館の場合、部屋で食事をするスタイルをとっているところが多いです。まず夕食を提供して、翌朝朝食の配膳・片づけを担当する場合もあります。旅館によっては、朝食は食事所があって、そこで食べてもらうスタイルをとっているところもあります。
そのほかに布団の上げ下ろしも担当します。そしてお客さんがチェックアウトする際には、お見送りまでを行います。客室係になった場合、一人で複数のお客さんの接客する形になります。旅館によって異なりますが、だいたい一人で3~4組のお客さんを担当していることが多いです。スタッフの中でお客さんと接している時間は最も長いお仕事です。ですから店の顔という側面も持ち合わせています。客室係の良しあしが全体の印象を決める可能性も高いため、あいさつなどの接客方法、和室における立ち振る舞い、扉の開け方、食事を出すタイミングなども慎重に図らなければなりません。
大変かもしれませんが、高いレベルの接客術をマスターできます。社会人として必要なマナー・エチケットを身に着けられるでしょう。このため将来就職しようと思っている学生が、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して住み込みでバイトしている人も少なくありません。
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フロントの仕事内容
旅館を訪れた方なら分かるでしょうが、チェックイン・チェックアウトをする際にまずフロントで手続きをします。フロントで勤務する人ももちろんいます。フロントはお客さんから見ると、最初に出会うスタッフであり、帰りに支払いをする際も利用します。最初と最後の接客を担当するスタッフなので、全体の印象で仲居さんとともに大きなウエイトを占めています。ですから仲居さん同様、高いレベルの接客技術を身に着ける必要があります。
フロントの場合、接客業務だけではありません。全体の司令塔という役割も担っているので、各部門との連携を進める、お客さんなどの情報発信を担当します。さらに中には旅行代理店やネットエージェントなどとの交渉を担当することもありますし、経理財務業務を任されることもあります。フロントはお客さんが来る前の業務も担っています。さらにお客さんの宿泊予定を確認します。その際に食事で外してほしい食材はないかなども確認をとります。最近ではアレルギーなどで食べられない食材もありますので、きちんと話を聞く必要があります。
また観光地の場合、「楽しめるスポットはないか?」などと土地情報をお客さんから質問されることもあります。そのような質問にも迅速に対応できるように、幅広い知識を身に着ける必要があるでしょう。想定外の事態に遭遇する可能性がありますので、柔軟に対応でき、何を優先すべきかの的確な判断力が求められる仕事です。
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裏方さんの仕事もある
旅館での仕事に興味があるけれども、接客は苦手という人もいるでしょう。人見知りの方の場合、上で紹介したフロントや客室係の仕事をこなすのは大変でしょう。しかし職種をよく見てみると、いわゆる裏方として仕事のできる案件も見られます。「バックヤードスタッフ」のような職種名で求人を出しているところも見受けられます。例えば調理場で勤務するスタッフがあります。お客さんに提供する料理を作る、食べ終わった食器洗いが主な仕事です。調理の経験がない方でも、準備や出来上がった料理の盛り合わせ、食器洗いなどの仕事がありますので基本的に問題はありません。
また先ほども紹介したように、布団の準備は仲居さんが担当するケースが多いです。一方で仲居さんではなく、バックヤードスタッフが温泉などにお客さんが入って部屋を開けているときに布団の準備をするところも見られます。そのほかには、お客さんがチェックインする前に部屋の清掃を行ってきれいにする仕事もあります。そのほかに温泉場や宴会場、廊下などの共用スペースの掃除をするスタッフを募集しているところも見かけます。
このようにバックヤードスタッフであれば、お客さんと直接接する必要は少ないです。ですから接客が苦手という方でも仕事ができます。部屋の掃除担当の場合、チェックイン前に業務を担当する形になります。ですから日中のみのシフトで働けるところもあって、専業主婦や定年を迎えてリタイアした人の中で引き続き仕事をしたいという人が勤務している場合もあります。調理場の担当の場合、食事の時間が決まっています。それまでにお客さんすべての料理を準備しなければなりません。繁忙期の場合、一度にたくさんの料理を作らないといけないので、かなり大変です。一方でだからこそ何から手をつければいいのかなどの判断力を培うことができるという側面があります。布団の上げ下ろしなどは体力勝負の側面もありますので、バックヤードスタッフの中には男性スタッフも数多くみられます。